欅材の選定において、杢目(木目・もくめ)の美しさと希少性を左右する非常に重要な要素です。以下に、欅材に現れる代表的な杢目の種類と選定時のポイントをまとめました。
■ 欅材に現れる主な杢目の種類
玉杢(たまもく):丸い玉状の模様が散りばめられた杢。特に「全面玉杢」は希少で高価
虎杢(とらもく):虎の縞模様のような力強い波状の杢。動きのある表情が魅力的
如鱗杢(じょりんもく):魚の鱗(うろこ)に似た杢。豪快で不思議な造形の印象
瘤杢(こぶもく):木の瘤部分に現れる複雑で立体的な模様。芸術性が高く、希少価値も高い
なお、玉杢の中でも立体感が強く、浮いて見えるものと沈んで見えるものを、浮玉杢、押し玉杢に分類されます。ほかに葡萄杢、柾目杢などがあります。
■ 杢目選定のポイント
模様のバランス:玉の大小や配置が均整の取れたものは高評価
用途との相性:家具や一枚板には全面玉杢や虎杢が人気。建具には柾目や笹杢が好まれる傾向にあります
経年変化の美しさ:欅は使い込むほどに色味が深まり、杢目が際立ってくるのも魅力
希少性と価格:玉杢や瘤杢は希少で高価。特に赤味の強い材に現れる杢は人気が高い



欅は経年変化が妙味のある材です。伐採後、乾燥したばかりの材は明るい赤や黄色っぽい色合いですが、使い込むことによって欅材はどんどん赤味が増し、最終的には朱色やこげ茶色にまで変化し、あわせて杢目も色濃くはっきりとしてきます。こうした経年変化の様子も、欅材の選定するポイントとするのも面白いかと思います。
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